コーク・ハイでホステス嬢にぼられた昭和30年代が終り、やがてオン・ザ・ロックスの時代がやってきた。最近、TVコマーシャルでうけているシングルをワン・フィンガー、ダブルだったらツー・フィンガーとやるあの雰囲気だ。黙ってゲンコツ一丁というサインもあって、いずれにしても何処に行ってもオン・ザ・ロックスしか飲らなかった。
近頃はビール・カクテル、ワイン・カクテルの超軽かヘヴィなストレート派に分れる。時代風潮が中間を嫌うようだ。筆者は当然後者なのだが、その場合、キッとあおった後、喉元を追いかける一杯の水が欲しくなる。これをチェーサーといい、「追跡者」「駆逐艦」などの意からきているところが実に言い得て妙だ。
但し、セロニアス・モンクの名曲を、カウンターに座って聞く時は、故人を偲んで、”追跡無し”にしよう。だって今かかっているのは、ズバリ「ストレート・ノー・チェーサー」って曲なんだから。
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