割りかんのことを俗に“ダッチ・アカウント”という。辞書を見ると、“ゴー・ダッチ”という用語例ものっているが、これも“オランダに行く”ではなくて、“オランダ人式にやる”―つまり、割りかんにするという意味である。
めいめいが平等に支払いを分担することがなぜ、“オランダ人式の勘定”なのか(?)通説にしたがうなら、オランダ人はケチで決して人におごらないからである。
辞書にはほかにも“ダッチ・ランチ(またはディナー)=割りかんの昼食(夕食)”とか、“ダッチ・パーティ=持ちより宴会”。あるいはかたいコトバで“ダッチ・オークション=価格を競り下げる競売。逆競り”などという例が出ている。
それやこれやから類推すると、かの“ダッチ・ワイフ”なるコトバの由来も、おのずから明らかであろう。メシも食わず、ドレスや宝石などをねだったりもしない。無論「五枚ポッキリでOKよ」なんてことも言わぬ。まことに安上がりな“オランダ人の妻”―それがダッチ・ワイフなのであります。
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