Flaneur,Rhum & Pop Culture
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vol.4 夜の診療所室
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音曲祝祭行

Face of L.J.
遊民・Links

 パリの高名な服飾店「ニナ・リッチ」のディレクターをしていたダリオー夫人が「男と女の事典」という近著のなかでこんなことをいっている。

 「バーテンと常連の男との間には、ごく風変わり共犯関係と男同士の理解とがあり、(中略)彼の職業で成功するには、飲み物をまぜる実際的な腕前よりも、お客の心を見ぬく能力が要求される」(田辺貞之訳)

 彼地の酒場には”ママ”もいないし”ホステス”もいない。で、ダリオー夫人の文章は次のようにつづくのだが、そのなかの”バーテン”を日本では”酒場の女性”と読み変えることもできそうだ。

 「一生の間には、バーテンに職業的とはいえ同情心のあふれる様子で、悲しい話をきいてもらった男や、一杯のウイスキーをなめながら、バーテンに慰められて明るい気持ちになった男は少なくないでしょう。バーテンはいわば、束の間のお医者みたいなものです」

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