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贅はしたし銭はなし
VOL.82

 6月9日から釧路で開かれたラムサール会議のキーワードは“ワイズユース”だそうだ。湿地保全と賢明な利用が討議されているが、多くの干潟を消滅させ、今も釧路湿原だけで4つのゴルフ場計画、政府援助組織(ODA)は、国内の環境を壊し続けた公共開発を世界の途上国に輸出していて、ワイズユースとは?
 川上泥魚という人が「信長は典型的な創業者タイプで、秀吉はM&A(買収・合併)が得意のインフレ過熱型であった」と云う。では、バブル後の今は、家康の儒教思想の管理体制で夢のない守成型か。それで、民と共に倹約を行い困窮を乗り越えた米沢藩主の上杉鷹山と「清貧の思想」がビジネスマンに大人気なのか。倹約と清貧と内省の時代(ブーム)よ、“自然を守れ”をやめて、ほっておきなよ。効率や何とか効果など考えないで、例えば、六本木の防衛庁跡に、サッカー専用球場(開発被援助国には既に10万人規模の球場がある)とか、オペラ劇場(我国に一館もない)とか、老人街(アリゾナの老人だけのサンシティでは、恵まれすぎて、アルツハイマー病が急増しているのをご存知か)を建設する。一石二鳥だと思うけどね。ワイズユースとは開発や保護をやめた金で、文化や福祉の為に浪費することだ。無駄な浪費がその国の文化度を決める。

(ユース・リーガー)

(1993.5記)